バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」
2019年11月12日配信
第593号 リラックス?『入浴剤のいろいろ』の秘密
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2019/11/12━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第593号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
「牛田さん、最近急に寒くなりましたが、
その分お風呂に入るのが
気持ちいいですね~」
白木さん、寒くなる季節は
お風呂の時間が楽しみになりますね。
「そういえば、以前はお風呂に
入浴剤をいれるのが
楽しみだったのですが・・・
非接触生活的に、入浴剤はOK
なのでしょうか?」
じつは、肌の弱い方にはあまり
おすすめできないものも多いのです・・・
今回はそんな入浴剤についてお話しますね。
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リラックス?
『入浴剤のいろいろ』の秘密
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▼しっとり、つるつる。さまざまな効果
良い香りがしたり、お湯にいろいろな
色がついたり。入浴剤を入れることで、
よりリラックスできる気がするかもしれません。
最近では医薬部外品の入浴剤も増えてきました。
保湿やピーリング効果などを謳うものも。
化粧品と同じように、悩み別に入浴剤を
選ぶようになってきましたね。
「香りや効果もたくさんあるので、
入浴剤選びも1つの楽しみ
だったんですよね~」
入浴剤の中にもよかれと思って使用して
肌を傷める可能性があるものがあるんですよ。
○バスソルト
岩塩などを入れるとぽかぽかと身体が
温まるような気がするかもしれませんが。
天然塩はアルカリ性ですので、
肌はアルカリの影響を受けて傷んで
しまうことがあります。
○保湿成分入りの入浴剤
セラミドやホホバオイルなどを配合し、
湯上りにしっとりする、乾燥肌用の
入浴剤も多いですね。
湯上りに肌がしっとりするものは、
皮膚の自然な皮脂分泌を妨げてしまいます。
また、白く濁るミルクタイプのものには
界面活性剤などの一次刺激性物質が
使われているものも多くあります。
○にがり
にがりの主成分であるマグネシウムは、
皮膚の保湿力を高めるといわれ、
特にアトピー性皮膚炎の方に勧められています。
皮膚からマグネシウムを摂取できることを
謳っている商品もあるようですが、
皮膚の役割は体内を守ること。
残念ですが、皮膚からマグネシウムを
補うことはできません。
にがりの皮膚への効果の科学的根拠は
明らかになっていませんので、
特ににがりが良いということもないでしょう。
○重曹
ピーリング効果を謳い、肌がつるつるに
なるとされている重曹。
重曹はアルカリ性ですので、
こちらも肌を傷めてしまいます。
皮膚はアルカリ性に弱いため、
皮膚表面でタンパク変性が起きているので
肌にトラブルがある方にはお勧めできません。
▼温泉は?
「ところで、天然温泉などは
どうなのでしょう?」
寒くなると温泉旅行などに行かれる方も
多いと思いますが。
肌にかゆみや赤みなどのトラブルが
出やすい方は、アルカリの温泉は
避けたほうがよいでしょう。
肌の弱い方には、酸性の温泉をお勧めしています。
温泉は心身のリラックスになります。
泉質を選んで楽しんでくださいね。
「心身の健康も、肌には大切ですからね!」
白木さん、その通りです。
▼おわりに ~入浴剤なしでも温まれます~
今回は入浴剤についてお話ししました。
白木さん、いかがでしたか?
「う~ん。使っても問題のないものを
選ぶのも難しそうですね」
そうですね。
入浴剤を使わなくても
湯船にゆっくりつかることで、身体の
疲れを十分に取ることができますよ。
音楽や香り、明かりなどを使って
リラックスできる環境を作ってみてくださいね。
入浴剤をどうしても使用したい場合は、
全成分を確かめるようにしましょう。
なお、医薬部外品は全成分表示が
ありませんので、ご注意くださいね。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
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