メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2019年03月05日配信

第561号 身体の仕組み?『ストレスと脳と皮膚』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2019/03/05━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第561号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 「牛田さん、前回のメルマガで紹介した
  ストレスの件で質問があるのですが......」


 はい、白木さん。なんでしょうか?


 「前回のメルマガでは、ストレスが
  皮膚のバリア力を低下させるとお話し
  されていましたよね?」


 そうですね。
 ニキビができるのは、ストレスが
 原因ではなく、ストレスによって皮膚の
 バリア力が低下すること、だとお伝えしました。


 「なぜ肌の弱い人はストレスで
  皮膚のバリア力が低下するのでしょう?」


 なるほど、いい質問ですね。

 じつはこの点については、14年前の
 メルマガでも一度触れたことがあるんですよ。

 随分前の話なので、今日のメルマガで
 あらためて、ストレスと脳と皮膚の
 関係を解説していきましょう。
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         身体の仕組み?

    『ストレスと脳と皮膚』の秘密

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 ▼ストレスを生み出す「脳」のしくみ


 「14年前の内容は覚えていない方も
  多いと思うので、当時の話を再度
  お聞きしたいです!」


 ではまず、おさらいをしてみましょう。

 身体を構成している臓器には、
 大きく2種類あります。

 1つ目は、手や足のように、
 意思によって動かすことのできる
 「随意」の臓器。

 2つ目は、胃や腸のように、
 意思によって動かすことのできない
 「不随意」の臓器です。

 では白木さん、今回のテーマである
 「皮膚」というのは、
 どちらに当てはまるでしょうか?


 「ん?......『不随意』の臓器でしょうか?」


 正解です。

 そして、ストレスを生み出している
 「脳」の中には、
 『大脳』と呼ばれる部分と
 『脳幹』と呼ばれる部分があります。


 ☆脳の構造図
  http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/09/brain.php


 『大脳』は、主に精神的な活動を担当しており、
 「随意」の臓器を司ります。

 『脳幹』は、生命維持に必要な活動を担当しており、
 「不随意」の臓器を司ります。






 ▼気持ちが肌に現れる?鳥肌の事例


 ところで、白木さんは日常の中で
 鳥肌が立つことはありますか?


 「はい、とくに最近はお昼は暖かいのですが、
  夜は寒くなるので、夕方に薄着で外に出ると
  鳥肌が立ちますね」


 そうなんです。
 じつは、人間の身体は寒気を感じると

 ・血流を弱め、
 ・肌の立毛筋が鳥肌を立て、
 ・体熱の発散を防ぐ

 という働きをする仕組みになっています。

 そうすることによって、身体の熱を外に
 逃がさないようにしているのです。


 「なるほど、鳥肌には
  体温調節の役割があったのですね!」


 また、"鳥肌"は、興奮や感動のために
 現れることもあります。

 みなさんも、心の変化が身体に影響する
 体験をしていると思います。

 人前で話すときに緊張してドキドキしたり、
 大切な試験やプレゼンの前にお腹が痛くなったり。

 さらに、ストレス状態が続いた場合は、
 自律神経や内分泌(ホルモン)の
 バランスが崩れ、脳幹部に乱れが生じて
 大脳が影響を受け、不定愁訴となるのです。

 逆に体調不良から、気持ちが沈むこともあります。


 「ということは、自覚できる・できないに
  関わらず、常に心と身体は相互に
  影響し合っているのですね」


 その通りです、白木さん。






 ▼皮膚のバリア力は


 では、皮膚の役割の話に戻りましょう。

 皮膚の役割は、体内を守ることでしたね。

 外部刺激のバリアになっている最前線、
 その表皮の表面は......

 死んだ角質細胞が密着した角質層と
 その上に乗っている皮脂膜と皮膚常在菌で
 形成されています。


 「肌の弱い人は、ストレスで角質層の接着力が
  弱くなるんでしょうか?」


 角質層は0.02mm(キッチンラップ)くらいの
 世界ですからね......。

 その精妙なバランスがどうして崩れるのか
 機序はわかりません。


 「えっ、わかりません......がお答えですか!?」


 ただし、肌の弱い人は、皮膚のバリア力が
 低下しやすいことはわかっています。






 ▼おわりに ~心身のバランスを~


 今回はストレスと脳と皮膚の関係について
 解説しました。
 白木さん、いかがでしたか?


 「身体の仕組みについてわからないことは
  多いですが、全てが繋がっていると
  いうことは、改めて理解できました」


 そうですね。

 WHOの「健康」の定義は
 「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、
 すべてが満たされた状態にあること」
 となっています。 

 秘密の皮膚科学のメルマガでは、
 「愛と健康とお金が満たされた状態」と
 言い換えてきましたね。

 身体の外側、肌の状態だけを見るのではなく、
 ストレスを感じている場合は心の疲れを取ること。
 そして運動、栄養、休養で身体の状態を整えること。

 心身の健康を意識してみてくださいね。






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