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2021年01月12日配信

第646号 非接触生活の基本?『一次刺激性物質とは』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2021/01/12━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第646号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 「牛田さんは『一次刺激性物質、一次刺激性物質』と
  いつも口酸っぱくおっしゃってますが、
  そもそも一次刺激性物質ってなんでしたっけ」


 白木さん・・・!

 牛田は当然のように使っている言葉ですが、
 もしかしたら「なんだっけ?」とみなさんも
 思っているかもしれませんね。

 新年一号目は一次刺激性物質を
 おさらいしてみましょう。


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           非接触生活の基本?

       『一次刺激性物質とは』の秘密

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 ▼そもそも一次刺激性物質ってどんなもの?


 一次刺激性物質とは、
 肌に触れるとタンパク変性を引き起こす物質のこと。
 炎症や湿疹の起因物質です。

 皮膚がタンパク変性を起こすと、
 肌に炎症が起きたりニキビができたり、
 カサつきやかゆみなどが現れます。


 「具体的にどんなものが一次刺激性物質ですか?」


 日常的に肌に触れる一次刺激性物質には
 こんなものがあります。



 〇基礎化粧品やメイク用品などの化粧品
 〇洗顔料やクレンジング、石鹸などの洗浄剤
 〇柔軟剤や抗菌剤
  (スプレータイプのものや洗濯洗剤配合のもの)



 上記の化粧品、生活用品には、
 肌につけたときの使用感をよくする目的や、
 洗浄効果や殺菌効果を持たせるために
 界面活性剤が使用されています。

 界面活性剤はタンパク変性物質であり、
 一次刺激性物質の1つです。


 「合成界面活性剤不使用とか
  言われているものなら使っても
  大丈夫ですよね?」


 それがそうとも言い切れないのです。
 合成界面活性剤不使用と言われると
 肌や環境にやさしい気がしてしまいますが。

 合成でなくても一次刺激性物質には
 変わりありません。

 使用している化粧品に一次刺激性物質が
 使われているかどうかは調べることができますよ。


 ☆参考:化粧品によく使われる界面活性剤・シリコーン
  http://hisesshoku-derm.com/archives/2016/08/post_10.php





 ▼ちなみに洗濯洗剤は


 肌の弱い方は、洗濯洗剤の布地への
 残留成分の影響も大きく受けているのですが・・・


 「ですが・・・?」


 成分を確認して使用することが
 難しいのです。家庭用洗剤には
 全成分表示の義務がないためです。

 また、個々の成分名ではなく「界面活性剤」
 「安定化剤」などの成分の機能を
 表す名称を中心にされています。

 メーカーによっては、製品情報として
 全成分を掲載しているところもあります。

 これはどうかなと思うものがあったら
 ご自身でも調べてみてくださいね。

 ちなみに牛田の把握している範囲では
 現在市販のものでおすすめできる
 商品はないのですが。

 見つかりましたらお知らせします。





 ▼ワセリンはなぜOK?


 「肌につけるものすべてが刺激になるという
  わけではないんですよね?」


 ええ。
 一次刺激性物質が配合されていないものであれば、
 肌につけても、タンパク変性が起こることはありません。

 たとえば、カサつく部分を保護するために
 お勧めしている、白色ワセリン。

 日本薬局方の白色ワセリンには
 一次刺激性物質が配合されていません。

 植物油にはアレルギーを起こすものがありますが、
 ワセリンは精製度が高い炭化水素のため、
 アレルギーが出にくいというメリットもあります。

 とはいえ、基本的には
 肌に長時間何かをつけている状態は
 皮膚生理を妨げてしまいますので、
 使用は限定的にしてくださいね。





 ▼おわりに ~購入・使用の前に成分チェックを~


 今日は非接触生活の基本となる
 一次刺激性物質についてお話ししました。
 白木さん、いかがでしたか?


 「身の回りは一次刺激性物質を使ったものが
  たくさんあるんですね~」


 そうなんです、白木さん。
 でも神経質になり過ぎる必要はありません。
 ほとんどのものは使う前に確かめることが
 できるんですよ。

 良さそうな雰囲気に惑わされず、
 賢く商品を選択して、
 ご自分の肌を守ってくださいね。





 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
  →→ https://jstcd.or.jp/contact/

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