メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2019年02月12日配信
第558号 根拠は皮脂量のグラフ?『乳幼児のスキンケア』の秘密(1)
☆━━━━━━━━━━━━━━━2019/02/12━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第558号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
「牛田さん、先日配信したメルマガに
対する問い合わせが
たくさん届いていますよ!」
ありがたいですね、白木さん。
第555号で体験談やご質問を募集した、
乳幼児のスキンケアについて、たくさんの
ご相談、ご報告のメールをいただきました。
☆第555号 ママは気になる?『赤ちゃんのスキンケアをめぐる現状』の秘密
お送りいただいた皆様、ありがとうございます。
今回はご相談メールにお答えしながら、
乳幼児のスキンケアの必要性について
考えてみましょう。
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根拠は皮脂量のグラフ?
『乳幼児のスキンケア』の秘密(1)
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▼新生児はとにかく保湿?
今回は、新生児の保湿について
頭を抱えられている方の
ご報告を見てみましょう。
▼「妊娠中から産後まで疑問がたくさん」
40代女性(抜粋)
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〇妊娠線対策に保湿クリーム
私は2歳8ヶ月の娘がおります。
妊娠中から産後まで様々な疑問を
感じておりました。
妊娠中はしっかりスキンケアしないと
妊娠線ができる、、と、産院、雑誌、
ネットで言われ、恐ろしさのあまり
保湿クリームを毎日塗っておりました。
結果、妊娠線はできませんでしたが
保湿の効果だったのかは疑問です。
(その2に続きます)
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妊娠線は、体型の急激な変化に
真皮や皮下組織がついていけずに、
亀裂ができてしまうものです。
できる人できない人にも個人差があります。
保湿クリームやマッサージオイルなど、
現在市販のものでは妊娠線予防に
効果のあるものは見つかっていないようです。
▼「何が本当なのかわかりません」
(ご報告その2)
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○ありとあらゆるものにベビー用が
新生児は肌のバリア機能がない為、
保湿は3歳までがとくに重要!
保湿をする事で、ホコリや花粉などの
外敵から肌を守ることが、
アトピー性皮膚炎にならない秘訣だと、
皮膚科医から言われました。
育児雑誌やネット、店舗でも同じような
事を掲げ、ベビー用の入浴剤、シャンプー、
ボディーソープ、保湿クリーム、
オムツかぶれ用クリーム、洗濯洗剤、
食器洗剤など、
ありとあらゆるベビー商品があり、
それらを使わないと乾燥肌になる、
アトピーになる...等、
消費者をあおり不安にさせているとしか
思えないような物ばかり。
初産婦は、ただでさえ不安なので、そういった
情報を鵜呑みにしてしまいがちです。
スキンケア商品がなかった時代の先人は
どうしていたのか?と、よく考えますが
そんなものがなくても何ら
問題なかったと思います。
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〇保湿とアトピーの関連は?
私は元々、アトピー、アレルギー持ちです。
皮膚科医いわく、娘にはその素因があるから、
いまからスキンケアをしっかりしないと、
アトピーになる可能性が高くなる
と言われました。
新生児の頃は、情報に惑わされ、
スキンケアをしばらくしておりましたが、
いま娘には保湿は一切しておりません。
今のところ乾燥もなくスベスベです。
保湿とアトピーの関係性、保湿による
弊害、しない事のメリットを今一度、
ブレそうになる自分のためにも
教えてくださると幸いです。
(ご報告はここまでです)
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相談を寄せていただき、ありがとうございます。
たしかに、情報が溢れているので、
何が本当なのかわからず、
不安になりますよね。
新生児のスキンケアの重要性を訴える
根拠としてよく見かけるのが、
乳児の《月齢別皮脂量のグラフ》です。
▼根拠は《皮脂量のグラフ》?
乳児の《月齢別皮脂量のグラフ》は、
小さなお子さんがおられる方は
見たことがあるかもしれません。
生後1ヶ月頃は、思春期のニキビの
できやすい頃と同じくらい皮脂分泌が多く、
2ヶ月頃からは急激に減り始め、
5~6ヶ月頃からは、1ヶ月頃と
比較すると皮脂量の少ない時期に入ります。
そのため、皮脂の多い新生児は
脂漏性皮膚炎を避けるため、
しっかり石けんで洗い、皮脂量の少ない
時期にはベビーローションなどで
保湿をすることが推奨されています。
【参考資料(月齢別皮脂量のグラフ)】
今回の資料をまとめたページです。
公開は3日間限定です。
「牛田さん、期間限定公開は
初めてですね?!」
ええ。他社誹謗になるといけませんので・・・
▼海外の新生児のスキンケアは?
新生児の頃からたくさんの
スキンケアグッズを使い、
洗浄や保湿を推奨しているのは
日本独自と言えるようです。
多くの国では、皮膚トラブルを防ぐために
沐浴の回数は週2、3回が推奨されています。
アメリカやヨーロッパでの
新生児のスキンケアを調べてみると、
毎日のケアは口の周りやおしりを少量の水で
拭くのみとされています。
乾燥していなければローションは不要とされ、
市販の化粧品を使うことに関しては
慎重である印象です。
生まれてすぐ保湿をしなければアトピーになる、
というのは世界共通の認識ではなさそうですね。
【参考資料】
▼おわりに
~乳幼児も大人も根拠は《皮脂量のグラフ》?~
今日は新生児のスキンケアについて、
ご相談メールとあわせてご紹介しました。
白木さん、いかがでしたか?
「ちなみに、新生児だけでなく
大人もこうした年代ごとの注意点などは
あるのでしょうか?」
いい質問ですね、白木さん。
実は年齢別のスキンケアについて
推奨されているのは大人も同じです。
皮脂量は30代がピーク、
40代になると水分・皮脂量が急激に減るため、
対象年齢にあった化粧品でスキンケアを
することが重要と言われています。
【参考資料】《年齢別皮脂量のグラフ》
非接触生活を実践されている
読者の方には、
一万回も繰り返していますから、
・皮膚の役割は年齢で変わることはない
・皮膚生理を妨げる保湿をしない
・肌を傷める一次刺激性物質と接触しない
ということは、ご存知でしょう。
皮膚生理は赤ちゃんも大人も同じく
体内を守ることです。
新生児も一次刺激性物質と
接触させないことが
肌のトラブルを防ぐことと考えています。
次回は実際に赤ちゃんにも非接触生活を
しているという体験談をご紹介いたしますね。
お楽しみに。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
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