バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」
2014年11月25日配信
第437号 カサつき、赤み『季節の変わり目のトラブル』の秘密
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2014/11/25━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!
「秘密の皮膚科学」
第437号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
だんだんと気温が下がり、
空気が乾燥してきましたね。
寒さがきびしくなるにつれて、
肌のカサつきや赤みなどの
ご相談が増えてきました。
今回は、この時期ならではの
肌トラブルの原因と対策についてお話します。
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── カサつき、赤み ──
『季節の変わり目のトラブル』の秘密
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▼こんなご相談が届いています
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◇『肌に赤みが出てきました』(40代・女性)
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乾燥してきたせいなのか、
赤みがまた出てきていて、吹き出物も時々できます。
皮がむけてきたので、ワセリンを少し使っています。
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◇『小さなニキビができ、肌がカサついています』(30代・女性)
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ここ数週間、ストレスを感じていたせいか、
ところどころに小さなニキビができ
肌がカサついてしまいました。
特に口横辺り(口角の横1cm)に
乾燥とは違うカサカサ部分ができてしまい、
なかなか治らずにいます。
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▼季節の変わり目の不調。その原因は?
"空気が乾燥し、気温が下がるから
肌がカサついたり、赤くなったり、かゆくなったりする。"
そんな風に思っている方も多いかもしれませんが、
空気の乾燥や気温の低下そのものが
肌荒れを引き起こしているわけではありません。
この時期に肌荒れが起こりやすいのは、
○気温が下がり、自宅で洗えない寝具や衣類など
肌を傷める一次刺激性物質に触れる機会が増える
○気温差や寒さによって、心身に負荷がかかる
といった状況によって、
肌のバリア力が低下しやすくなるからです。
この状態で肌を傷めるものに触れると
カサつき・赤み・かゆみなどの
トラブルが起こります。
バリア力が低下しても
肌を傷めるものに触れなければ
トラブルが起こることはありません。
▼肌荒れにお悩みの方。こんなものに触れていませんか?
(1)寝具・こたつ布団
毛布やこたつ布団など、大型のものは
クリーニングに出している方も多いでしょう。
寒い季節には接触を避けにくいものばかりですが、
こんな対策をしてみましょう。
◎肌に触れる部分に、タオルをつける(ピンなどで留める)
◎そのタオルを指定の洗濯洗剤でこまめに洗う
(2)衣類
冬は、寝具と同様に、衣類も
クリーニングに出したものを身につける機会が増えます。
首やあごなどのトラブルは、
セーターやマフラーなどに原因があるかもしれません。
(3)見過ごしがちな"ちょっとした接触"
冬本番へと移り変わる時期は
肌のバリア力が低下しがちなので、
夏に触れても大丈夫だったものが
トラブルの原因となることがあります。
これまでと特に変わったことはしていないのに
急にトラブルが出るようになった方は、
一日のなかで肌に触れているものを確認しましょう。
これくらいなら大丈夫、と思っているところに
原因がひそんでいるかもしれません。
▼カサつき・かゆみには、ワセリンを
肌がカサつくとき、かゆみが気になるときは
その部分にのみ、薄くワセリンをつけましょう。
ワセリンについても
さまざまなお問い合わせが届いていますので、
こちらでお答えしますね。
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Q1『どんなワセリンを選んだらいい?』(20代・女性)
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保湿剤として、○○製薬の
「プロペト」というものを処方されました。
"日局方のワセリンをさらに精製したもの"らしいのですが、
付け心地がやたらサラサラしている上に、
ネットなどで調べても全成分が分かりません。
本当は、ヴァセリンのように何か混ぜているんじゃないか?
本当に、精製しただけで付け心地が変わるのか?
と、疑心暗鬼になっています。
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A1『添加物のない白色ワセリンなら、どれでも大丈夫』
白色ワセリンの精製度が高いものがプロペトです。
使用しても問題ありません。
精製度の違いでいくつか種類がありますが、
最近のワセリンは不純物を含まなくなっています。
BHTなど添加物のない白色ワセリンであれば
どれを選んでも大丈夫です。
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Q2『ワセリンは洗い流したほうがいい?』(女性)
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ワセリンを数日間そのまま肌につけておくことについて、
どうお考えなのかをお尋ねしたいのです。
ワセリンは定期的に
しっかり洗い流した方がいいのでしょうか?
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A2『夜、寝る前に洗い流しましょう』
ワセリンは、肌に皮膜を作り、
傷んだ肌を一時的に保護する目的で使用するものです。
どんなものでも、
肌にしっとりしたものをつけたままにしておくと
自然な皮脂分泌を妨げてしまいます。
夜、寝る前には洗い流すようにしましょう。
ただ、カサつきやかゆみがひどい場合は、
夜も薄くワセリンをつけて肌を保護するとよいでしょう。
ワセリンをつける前に
手に付着している一次刺激性物質を
ペーパータオルで落とすことを忘れずに。
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Q3『馬油はワセリンの代わりになる?』(女性)
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馬油(トコフェロールハチミツ酸アスコルビル配合)
を使っています。
これはワセリンの代わりになるでしょうか?
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A3『馬油では皮膜を作ることができません』
ワセリンではなく、馬油を使いたいという
お問い合わせも多くあります。
馬油には肌に良いようなイメージがありますが、
オイルでは肌に皮膜を作ることができません。
皮膜を作り、傷んだ肌を保護する目的に
適しているのはワセリンです。
全成分を確認して問題がなければ、
お使いの馬油を使用してもかまいませんが、
日常的に使い続ける必要はないでしょう。
▼まとめ ~ 接触をコントロールして、トラブルのない冬を ~
今回は、この時期ならではの
肌トラブルについてお話しました。
白木さん、いかがでしたか?
「今日家に帰ったら、さっそく
毛布の顔が触れる部分にタオルをつけます!」
そうすれば安心して毛布にくるまって過ごせますね。
冬は、一次刺激性物質に接触する機会が増える季節ですが、
肌に触れるものをコントロールすることで
トラブルを回避できます。
これからますます寒さがきびしくなりますが、
ワセリンを上手に使って
楽しい冬をお過ごしくださいね。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
→→ http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php
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