資料室

2006年10月11日

尿素の秘密

尿素の入った化粧品、医薬部外品、医薬品を、
お肌につけたり塗ったりすることはおすすめできません。

皮膚に尿素クリームを塗布することにより、尿素がしっかりと
水分子をとらえ、皮膚の乾燥を防ぐといわれています。


しかし、これは他の湿潤剤と同じで、尿素が水分を抱えているだけ。
いままでお話してきた通り、肌の水分とは関係がありませんね。

また、尿素にはタンパク質変性作用があり、
皮膚の角質を除去する働きがあるといわれています。

タンパク質変性作用は、角質除去だけに作用するとは考えられませんね。
お肌に対する障害性のほうが心配です。


さらに、尿素は高い浸透圧のために皮膚への刺激が起こるといわれています。
刺激を感じた時は、浸透圧によって皮膚から水分が奪われている可能性があります。

尿素について一般的にいわれていることを冷静に考えると・・・
尿素はお肌につけてはいけない物質ですね。


尿素について一般的にいわれていること

●尿素について

尿素は化学式(H2NCONH2)と表される有機化合物である。分子量60.06、無色無臭の結晶で、哺乳類や両生類の尿に含まれる。エタノールに やや溶けやすく、エーテル、クロロホルムには極めて溶けにくい。水溶液はほぼ中性で、1%水溶液のpHは約6.0。加熱すると約133℃で融解し、さらに 加熱すると分解してアンモニア等を生じる。無機化合物から初めて合成された有機化合物として、有機化学史上、重要な物質である。

尿素はその名の通り尿の中から発見された。成人は大体1日30gほどの尿素を排出するといわれている。動物はタンパク質を始めとする窒素化合物を取 り入れ、過剰分は分解して排泄する。最も簡単な窒素化合物はアンモニアであるが、人体に有害なため、安全な尿素として蓄えられ水溶液として排泄される。と いっても尿素はただの老廃物というわけではなく、筋肉や組織の中にも存在している。窒素の排泄は、魚類ではアンモニア、哺乳類や両生類では尿素、鳥類や爬 虫類では尿酸の形で行われる。

また、尿素は高い浸透圧を持っている。浸透圧とは、半透膜を通して濃度の低い溶液から濃度の高い溶液に溶媒が移動するように働く圧力のことを指す。 溶液が持つ、溶媒を引き込む力とも言える。水道水などで目を洗う際にしみて痛くなるのは、この浸透圧の作用による。濃度が0の真水や水道水に比べて眼球の 細胞内の溶液の濃度が高いため、外側の水分子が細胞内へ移動して細胞が膨張し、その時に痛みを伴う。そのため目薬などの点眼薬は、浸透圧を生理食塩水に合 わせ、目にしみないように作られている。


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●尿素の用途について

医薬品としては、角化症・乾燥性皮膚疾患治療剤(軟膏剤)、神経・筋機能賦活剤(静注用)、ヘリコバクターピロリ感染診断用剤、ビタミンB1・ B6・B12剤(静注用)などがある。また、尿素は皮膚の水分の蒸発、吸収、保持する作用を司るNMF(天然保湿因子の一つ)であることから、魚鱗せん、 アトピー性皮膚炎、老人性乾皮症、足底部亀裂性皮膚炎等の角化性皮膚疾患治療薬の原料に用いられるほか、グリセリン等と併用して皮膚の乾燥を防ぐ保湿剤と して、化粧品や医薬部外品に使用されている。また、他には工業用として樹脂の原料や、肥料としても使用されている。工業的に尿素を製造する方法はアンモニ アと炭酸ガスを反応させてアンモニウムカルバメート(NH2COONH4)を生成させ、これを分解させて尿素を精製するのが一般的である。


●水素結合について

尿素は、水と非常になじみが良く、水素結合によって水分保持作用を持つ。酸素や窒素にくっついた水素はプラスの電気を帯びている。反対に酸素原子は マイナスの電気を帯びているので、この2つは互いに引き合うことになる。これが水素結合である。尿素は6ヵ所の水素結合サイト、水の分子は4ヵ所の水素結 合サイトを持っており、両者は水素結合を介してくっつきあい、混じり合うことが出来る。このため、皮膚に尿素クリームを塗布することにより、尿素がしっか りと水分子をとらえ、皮膚の乾燥を防ぐとされている。


●タンパク質変性作用について

また、尿素にはタンパク質変性作用がある。尿素分子がタンパク質分子の水素結合の間に割り込んでその構造を破壊し、溶かしてしまう。その結果、皮膚の角質を除去する働きがあるとされている。


●浸透圧と刺激性について

保湿効果が高いとされている尿素だが、一方で刺激性があるという問題点もある。尿素は一次刺激性物質ではないため、刺激性の皮膚炎は起こさない。その刺激性は浸透圧が高いために起こってくると考えられている。

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