メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2005年11月22日配信

第55号 どうして? 『皮膚外傷学』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 先々週より、長野県松本市にある相澤病院のお医者さま、
 夏井 睦(なつい まこと)先生のサイトに掲載されている記事を
 ご紹介しながら、『傷』の秘密に迫っています。


   ○第53号 ウソ? ホント? 『傷』の秘密
    → http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/11/53.php

   ○第54号 『傷と乾燥』の秘密
    → http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/11/54.php

   ○夏井先生のサイト『新しい創傷治療』
    → http://www.wound-treatment.jp/


 夏井先生は、インターネットでの活動だけでなく、
 書籍も出版されています。

 もちろん牛田も拝読しているのですが、
 その中で、

 "アッ!"

 と思わず手が止まってしまったページが。

 今回は、そのページに載っていたコラムをご紹介したいと思います。

☆----------------------------------------------------------☆

       どうして? 『皮膚外傷学』の秘密


☆----------------------------------------------------------☆


 ▼皮膚外傷学の不在



 「牛田さん、"アッ!"って何ですか? どうしたんですか?」



 白木さん、まぁそうあせらないで。
 まずはこちらを読んでみてください。



 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

 【皮膚外傷学の不在】

 外科の一分野に「外傷学」があり,
 それにそって医学部では外傷を教える。

 実際には外傷は各講座ごとに,
 外科では腹部外傷と胸部外傷,
 整形外科では骨折や開放骨折,
 脳外科では頭蓋骨骨折や外傷性硬膜下血腫,
 皮膚科では熱傷,そして形成外科では顔面外傷というように
 臓器別,原因別に分けて教えられる。


 一見,当たり前のように思われるが,最も多い外傷である裂創や挫創が
 全く欠落していることに気づかれただろうか。

 つまり,「皮膚外傷」という考えは
 日本の医療(そして世界の医療)に存在しないのである。


 しかし現実の医療現場では,毎日のように
 多くの皮膚外傷患者が受診する。

 このような外傷に対し,多くの医師は
 「先輩医師に昔教わった方法」で治療するのが普通だろう。
 そして,その先輩医師が教えてくれた治療法は,
 実はそのまた上の先輩医師が教えてくれた方法であることが多い。


 このような知識の伝承形式は一般に徒弟制度,
 あるいは家元制度と呼ばれるものだろう。

 かくして,医療現場での皮膚外傷の治療では,
 大昔からの治療法がそのまま行われていることになる。


 しかも悪いことに(?),皮膚外傷はいい加減な治療をしても
 いつかは治ってくれる(あるいは,患者のほうが来なくなる)。

 間違った治療をされても,
 それにめげず治ってしまうのが人体の偉大さであるが,
 これが逆に,間違っている治療を延命させてきたのではないだろうか。


 そして医師も患者も他の治療の選択肢があることを知らないから,
 「痛くて跡が残る治療」を当然のものとして受けとめてきたのだ。

 しかし,傷跡が残らない治療が可能であれば,
 患者がそれを望むのは当然であり,
 わざわざ「跡が残る」治療を選択する患者はいないのである。


 これまで皮膚外傷は医療現場で軽んじられてきたが,
 患者の立場に立った医療を考えるとき,
 これは決して軽微な問題ではないと思う。

 むしろ,「傷を痛くなく,きれいに治してほしい」という
 患者側の当然の要求に,医療側が全くこたえてこなかったことのほうが
 異常なのである。

 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
         『これからの創傷治療』(夏井 睦著/医学書院)より



 ▼いかがですか? 白木さん



 「私なりにポイントをまとめてみたんですけど......。


  1)毎日、数多くの皮膚外傷患者が病院を訪れているのに、
    外傷学のなかに"皮膚外傷"という考え方が存在しない

  2)多くの医師は、"先輩の"医師から習ったままに
    誤った治療を続けている

  3)しかし、皮膚外傷は
    "いい加減な治療"をされても、やがて治ってしまうもの

  4)その人体のすばらしさが災いして、
    誤った治療が改善されることなく続いている

  5)「痛くなく、きれいに」という患者の自然な要求に
    医療の現場はもっとこたえていくべきである

  夏井先生がおっしゃっているのは、
  こういうことでしょうか?」



 ええ、牛田もそのように受け取っているんです。



 ▼アッ! のワケ


 牛田が、思わず

 "アッ!"

 と言ってしまいそうになったのは、
 3)~5)の部分。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  3)しかし、皮膚外傷は
    "いい加減な治療"をされても、やがて治ってしまうもの

  4)その人体のすばらしさが災いして、
    誤った治療が改善されることなく続いている

  5)「痛くなく、きれいに」という患者の自然な要求に
    医療の現場はもっとこたえていくべきである

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 これは医療業界に限ったことではありません。
 牛田が日々働いている美容業界でも、
 同じことが言えるのです。


 どんな化粧品を使っても、
 どんな洗浄剤で身体を洗っても。

 ある程度のダメージであれば、
 お肌のトラブルは、お肌自身が解決してくれます。


 悲しいかな、ダメージの跡が残ってしまう場合もありますが、
 時間が経てば、お肌は再び安定した状態を取り戻します。
 お肌は驚くべき再生力を持っているのです。


 そのチカラはとても素晴らしいものです。
 しかし、そのためにこんな弊害が生まれています。


 ・今使っている化粧品や、受けている治療が
  理論的に正しいものなのかどうか? 
 ・自分の肌質に合っているものなのかどうか?


 一般の消費者の方は
 なかなか気づくことができないのです。

 また、お肌に改善が見られたとしても、
 それが化粧品によるものなのか、
 お肌本来のチカラによるものなのか、
 分かりにくいのです。



 「『これ使ったら早く治ったよー!』
  なぁんて友達からニキビ用の化粧品を薦められることがあるけど、
  それは単に、お肌が自力で安定を取り戻したに過ぎない......」


 ということも、あるでしょうね。



 ▼牛田はつくづく思います......


 お肌って本当に"強い"臓器なんです。

 なにしろ『身体の内側を守る』
 というスゴイ使命を持っているのですから、
 当然と言えば当然の機能なのですが。


 しかし、その強さを逆手にとったかのような
 治療や化粧品がなんと多く出回っていることか。

 美容業界に身を置く者として、
 牛田の心中は非常にフクザツです。。。


 しかし、だからこそ。
 このメルマガ『秘密の化粧品』を始めたんです。

 これからも、メルマガ読者の方だけに、こっそりと。
 "本当にお肌のタメになること"を
 お届けしていきます。



 ▼詳しくはこちらを


 今日ご紹介した夏井先生のコラムは、
 『これからの創傷治療』(医学書院)
 という書籍の12頁に掲載されています。


  ○『これからの創傷治療』(医学書院)
   →http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4260122533/qid%3D1146118892/249-1991167-4386760

  ※ビックリしてしまう(......かもしれない)写真も
   たくさん載っていますが、牛田にとっては新しい発見の連続でした。


 メルマガでの紹介をご快諾くださいました夏井先生、
 あらためてお礼申し上げます。
 ありがとうございました!


* * * * * * * * * * * *



 3回にわたって『傷』のお話を取り上げてきましたが、
 いかがだったでしょうか?


 感想や疑問などありましたら
 牛田までお気軽にお聞かせくださいね。

  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php


 では、次号の『秘密の化粧品』をどうぞお楽しみに!!



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